1年を通して紫外線が降り注いでいることはもうみなさんご存知ですよね。
雨の日や曇りの日だけじゃなく、室内や車の中でも油断はできません。
だからといって美白にこだわるあまりSPF50/PA++++の日本最大値を選んでいませんか?
日焼け止めはSPFとPAが最大値の物を選べば効果が高い!のではありません。
基本的にシーンによってSPF・PAのレベルは使い分けをします。日焼け止めは紫外線から
守ってくれるものですが、肌にとっては異物です。負担をかけない使い方をすることは
美肌のためにはとても大切なことなのです。
でもSPFとPAの意味やその他の基礎知識を知っていないと使い分けのしようがない
ですよね。
いまさら聞くのもちょっとためらってしまう日焼け止めのSPFとPAについて、
もう一度おさらいしていきましょう。
目次
SPFとPAの意味と紫外線の種類
太陽から地上に降り注ぐ光は紫外線・赤外線・可視光線の3種類です。
最も短い波長でパワーも強い紫外線はさらに3種類に分けられます。
UV-A | 肌の表皮を通り抜け真皮まで届く エラスチン繊維やコラーゲンを壊す 雲やガラスも通り抜ける しわやそばかす・たるみの原因 |
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UV-B | 表皮の細胞やDNAを壊し肌の赤身や痛みなどの炎症を起こす 地上に届く量は少ないが害はUV-Aの600~1000倍 メラニン色素を増やしシミやそばかすの原因に |
UV-C | UV-Bより害は強いが地球には届かない 近年オゾン層の破壊で影響が危ぶまれている |
肌が黒くなったりシミやそばかすができる原因となる紫外線は1年中降り注いでいるので、
日焼け止めを塗っていないと怖いですね。UV-Cに関してはオゾン層や浮遊物のおかげで地球へは届かないと言われていましたが、現在環境破壊が進み届いて被害が確認されている国もあります。
そんな紫外線が強い地域でSPF値やPA値が低い日焼け止めを使っても意味がないですし、
紫外線が弱い地域で同じ値の日焼け止めを使う必要もありません。
そこで負担を最小限に紫外線から肌を守るために重要になるのがSPFとPAの意味を理解しておくことです。
SPFとは
正式にはSun Protection Factorといい、UV-Bの紫外線防御指数を表します。
日本の最大はSPF50です。数字が大きければ大きいほど日焼けによるダメージを遅らせる
効果が長くなります。基準としてSPF1あたり約20分です。
SPF10なら、10×20=200(3時間20分)UV-Bを防いでくれるということです。
PAとは
次にPAです。
PAは正式にはrotection Grade of UVAといいUV-Aの紫外線防御指数を表します。
レベルは4段階で+が多いほど効果が高いです。
- PA+:効果が高い
- PA++:効果がかなり高い
- PA+++:効果が非常に高い
- PA++++:効果が極めて高い
このようにSPFとPAにはレベルがあるので、自分がこれから行う活動にあった強さの
日焼け止めを選ぶと肌への負担を最小限に抑えることができます。
日焼け止めのSPFとPAの選び方はシーン別に!
SPFとPAの値はただ単に高いものを選ぶのではなく、使うシーン別に選ぶと効果的です。
近所への散歩やコンビニなどに行く:SPF20/PA++
観光やスポーツで1時間を超える時:SPF35/PA+++
海や山のレジャーや日差しが強い時:SPF50/PA++++
UV-Aはしわや肌のたるみ、UV-Bはシミやそばかすの原因になるのでちょっとした外出でも日焼け止めを使うことをおすすめします。
季節ごとのSPFとPAのレベルの目安もご紹介しておきますね。
夏:通常の外出はSPF30以上/PA++~+++
プールやレジャーはSPF30~50/PA+++~++++
秋:SPF10~30/PA+~++
冬:通常の外出はSPF10~20/PA+~++
雪がある場所ではSPF35~50/PA+++~+++
夏の屋外で長時間過ごす場合や直射日光の下で運動をする時、冬の雪のレジャーや
ウィンタースポーツの時は1年で最も紫外線を浴びるシーンです。
夏はSPFやPAの値の大きな日焼け止めを塗ることは理解できますが、なぜ冬も?と不思議に思う人もいますよね。
積もった雪は空からの紫外線を跳ね返すので、雪の上では上からと下からの両方から紫外線を
浴びる状態になってしまいます。
夏よりも怖いという意見もあるくらいなので、SPFやPA値の高い日焼け止めと帽子や手袋・
マフラーなどの防寒具を活用して紫外線を防ぎましょう。
SPFとPA値が同じなのに値段に差がある日焼け止めはどちらを選ぶべき?
使うシーンを想像してSPF・PA値を見て日焼け止めを購入しようとすると、店頭にまったく同じレベルなのに5,000円の物と1,000円の物があったとします。
そんな時にどちらがいいのか考えると多くの人は高価な5,000円の日焼け止めの方が効果があると思い込みます。でも実際はSPFもPAも同じ値なので効果は同じです。
ではなぜ価格に4,000円もの差があるのでしょうか?これにはいくつか理由があります。
- 添加物を使用しているか・していないかの違い
- 美容成分に高価なものを使用して肌ケア効果もある
- 落ちにくいように成分に工夫がされている
すべての安い価格の日焼け止めが該当するわけではないですが、基本的に安い物は原材料のコスト削減を行っています。
そのため肌に刺激になる成分が使われていたり添加物を複数使用していたりします。
成分はパッケージやボトルに書かれているので、購入前に必ず確認しておきましょう。
反対に価格が高い日焼け止めで注目すべきは「美容成分」です。紫外線吸収剤や
紫外線散乱剤を塗ったことで肌が乾燥したりトラブルが起きないようにするために、
保水・保湿成分が含まれています。
他にも美肌キープのためのヒアルロン酸やビタミンなどを配合している日焼け止めもあります。
資生堂やコーセー化粧品など業界大手の日焼け止めの場合はどうしても宣伝のためにかかるコストがプラスされてしまうので、高いと感じる物が多いようです。
SPFとPAの値が同じなら紫外線に対する効果は同じなので、美容成分や美肌成分がちがうと
覚えておきましょう。
徹底的に紫外線対策をするならUPFも気にすべき!
SPFやPAは日焼け止めのパッケージや化粧品にはよく書かれているので認知度は高いですが、UPFは知らないという人もいるのではないでしょうか?
UPFは正式にはUltraViolet Protection Factorといい、衣類のUVカットのレベルを表して
います。紫外線が強いオーストラリアなどで制定されたUVカット指数で、日焼けから
どのくらい肌を守れるかのレベルを表しています。
25~39:かなり効果あり
40~ :極めて高い効果あり
目安として効果ありで紫外線カット率は85%以上・かなり効果ありで90%以上・
極めて効果が高いで95%以上と言われています。
UPF50を超えている商品は全部「UPF50+」という表示になります。
日本でUPFが採用されている衣類を販売している有名なメーカーはユニクロや無印が
あります。もちろん大手メーカーではなくても取り扱いがあるので安く購入することも
できますよ。
でもユニクロや無印でも価格は2900円からと安いです。日焼け止めと一緒に活用すると
しっかり紫外線対策ができますよ。
一部の専門家からはUV衣類の方が日焼け止めよりも紫外線予防効果が高いと言われていて、
白い肌をキープしたい人から注目されています。
UPF衣類は着るだけなので手軽ということもありますが、塗る日焼け止めと違って
塗り直しの手間がないのが人気になっているようですよ。
UPF衣類を選ぶときは黒や紺など色が濃い方が紫外線防止効果が高いです。
最も紫外線を通さないのはポリエステル素材ですが、紫外線が強い夏に着る素材には
適していませんよね。気候にあった素材のUPF衣類を選んで快適に紫外線カット対策を
しましょう。
SPF・PA値も気にして選ばないとこうなる!アメリカの被害の実例
2012年にアメリカで伝えられた紫外線の害に関する衝撃的なニュースがあります。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1104059
トラック運転手のこの男性は日焼け止めで紫外線対策をすることなく28年間仕事を
続けました。
すると運転席の窓側である左側だけ紫外線を多く浴びたことで右側と比べて老化の度合いが
高くなるという変化が出てしまったのです。
UV-Aは車の窓ガラスさえも通り越して真皮まで届く紫外線なので、長い間ダメージが
積み重なって顔の左側だけが光老化してしまいました。
この事例以降、研究を行った皮膚科医を中心に太陽の光に長い間当たる人は必ず
日焼け止めを塗るように注意喚起されるようになりました。
日焼け止めの必要性がよく分かりますね。
日焼け止めを塗っていたとしてもSPFやPA値が状況にマッチしていないと意味が
ありません。多少面倒くさいと思っても紫外線の肌への悪影響は侮れないのでしっかり
塗っておくことをおすすめします。
オーストラリアでは日焼け止めのSPF50は無意味と言われている?
アメリカでの紫外線被害の実例も驚きますが、紫外線が強い国であるオーストラリアでも
日焼け止めに関する驚きのニュースが出ていました。
日本では愛用している人が多いSPF50の日焼け止めですが、オーストラリアでは意味が
ないと言われているのです。
・海やプール・川などの水遊びでも流れてしまう
日本でも知られている知識ですがオーストラリアではSPF50の効果はよくて10時間前後と考えられています。よってSPF30までの日焼け止めしか販売されていないのです。
でも紫外線に対する意識は高く学校での日焼け止めの使用は義務になっています。
効果を持続させるためにもクラスごとにサンスクリーンローションを完備する徹底ぶりです。
紫外線が強い国でもSPF50を使っていないなら、日本ではもっと低い値の日焼け止めでも対応が
できそうですね。
塗り直しの回数やメーカーごとの性能によっても変わってくるので、使おうと思っている
日焼け止めの特徴をよくとらえSPF値を選んでみて下さい。
シーンに合った日焼け止めで紫外線をブロック!

実例のように光老化を起こさないためにもシーンごとに適した日焼け止めを塗って紫外線から肌を守っておく必要があります。
日常生活の中では基本的にSPF10~20・PA+~++くらいで問題ありません。
軽く外で運動をする時やレジャーの時にSPF20~30・PA++~+++に上げ、強い日差しの下での
運動やレジャーなどで最大値を使うといいでしょう。
忘れてはいけないのがスキー場や雪の日の外遊びです。
雪は降り注いだ紫外線の約80%を反射して跳ね返します。雪が降り積もっているところでは、
紫外線は上からと下からの両方から注がれていて人は挟み撃ちされているのです。
SPF・PAが最大値の日焼け止めを塗るのと一緒にマフラーやニット帽、耳当てなど色々な防寒
グッズを使って紫外線から肌をガードしておきましょう。
シーンに合わせて日焼け止めの強さを変えて肌に負担をかけずに美肌をキープ
しましょう。
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